2014年6月30日月曜日

08青山貴則(北海道) SJCDコンセプトに則った、フルマウスリコンストラクションの1症例

日曜日14:05~14:30
発表者:青山貴則  北海道岩内郡岩内町開業
所属:北海道SJCD
カテゴリー:審美修復治療
座長:南昌宏

機能的、審美的問題の解決を目的とした全顎的歯冠修復治療は、SJCDが示すフローチャートに則って治療を行っていくことが成功への鍵となってくる。特に術前における診査、診断は最も重要なポイントであり、ここで取り上げる診査項目、診断基準が治療ゴールの良否を大きく左右する。その後、治療計画の立案を行った上で治療開始となるが、この段階でもそれぞれのステップにおける再評価を確実に行うことが、臨床上重要であると自分自身深く認識している。
今回、審美障害を主訴として来院された患者さんに対しSJCDコンセプトに則って治療を行った症例を報告したいと思う。患者は61歳女性で、歯肉退縮による審美障害を訴えて来院した。主訴は審美障害であったが、下顎(両側、片側?)臼歯部欠損が存在していることから、バーティカルストップの損失、残存歯への過重負担などの機能的な問題点がいくつか見られ、審美的問題を加えて全顎的観点から治療が必要な症例であることが確認できた。
そこで、診査、診断の段階から同世代の歯科技工士とディスカッションを繰り返し行うことにより審美的側面、機能的側面それぞれに対する問題点の解決策を検討し治療計画を立案した。そして、インプラント治療によるバーティカルストップの構築、プロビジョナルレストレーションステージでの顎位の安定、適切なアンテリアがンダンスの確立、歯周組織との調和等を確認の後、最終修復物によるフルマウスリコンストラクションを行っている。結果として機能的、審美的問題に対して一定の評価が得られたが、本症例を振り返ることにより診査、診断の妥当性、各々のステップにおける妥当性について再確認を行いたと思う。