2014年6月30日月曜日

21-A-1山﨑長郎 人生を語る

人生を語る

序文

山﨑長郎 MasaoYamazaki
原宿デンタルオフィス

我が歯科医師としての人生を振り返る24歳で東京医科歯科大学を卒業して44年間の長さに渡り歯科治療に携わり継続して行ってきました。今振り返って歯科人生を考えると大きな転換期がいくつかあり、時代の変遷と照らし合わせてみると間違いのない方向性をその時点で修正し進んで来たような気がする。今回私の歯科医としての人生に交えて臨床症例を説明してみたい。

歯科医としての自己変革の経緯

大学を卒業したと同時に国内卒後研修を受講した事が、私の歯科医としての人生を一変させた。通常の学校教育と一戦を画す米国の最新の知識と技術がそこにはあった。学生時代の歯科医療に対する考え方を根底から覆す歯科における夢と希望に満ちあふれていたのである。この時より、私は新たに歯科医としての自覚と情熱を持ち始めていた。そんな時期に、米国研修の機会を体験し、ますますそこにのめり込む事となった。
帰国後、どうしても東京で開業したいと言う思いが断ち切れなく、両親の開業していた長野を断念するに至ったのである。28歳で原宿で開業し臨床医として忙殺されていたが、その間10年近く年に数ヶ月は米国の研修及び見学を続けていった。これにより、臨床医としての確立がなされていったが、それと同時に勉強会を立ち上げ、研修による後輩の指導も行い始めた。最初は数人からスタートしたスタディクラブも現在は全国で1700人を数えるに到った。最初は咬合を中心とした補綴治療がメインであったが、その後、歯周治療の重要さを認識し、それに付随するエンド・矯正を取り入れた包括的歯科治療を実践するに到る。その後数十年はこの包括歯科治療を行っていたが、久しぶりにある機会があり、遠ざかっていた米国を訪れると、歯科治療の様相は変化していて唖然とした。それは、インプラント治療と審美治療の隆盛であった。これより人生において、この二つを習得する為、最も勉強をした時期となり、現在に至っている。
この様に歯科医は、様々な出会いの中から触発され、歯科医としての本分に目覚めていかなければならない。以上、卒業から現在私の臨床研究は臨床的な修復治療の分類をし、明確に捕らえ所のない臨床基準を確立する事にある。
以下に、日本補綴学会のグレーターニューヨークと合同のインターナショナルカンファレンスに発表した分類を呈示する。審美修復治療を高い到達点に導く為には、各分野(エンド、矯正、歯周、インプラント、咬合)との連携が必要となる。即ち、その症例において何が問題点となっているのか明確にし、どの分野の治療が必要となるか見極める事である。
Kay’s classificationはclass1~class4に分類されており、class1は口腔内の構造的問題が無く、審美性が当該歯のみなので、容易に確立される。Class2は歯周・矯正的問題が存在しており、それを解決しなければならない。Class3は口腔内に構造破壊が進んでおり、咬合を考慮した再構成が必要とされる症例である。Class4は顎変形症等の外科矯正を行わないと構造、審美性がなされない症例を言う。
私の分類Type of patientは最も明確で臨床的にどの分野の治療が必要か呈示している。Type1は補綴のみの治療で審美性を確立可能な患者であり、Type2は歯周、矯正と二つに別れて、ストレートに歯周外科あるいは歯の位置を修正する為の矯正がType1に戻す為必要であると分かる様になっている。

3 Esthetic Classifications

  • Table1 Kay’s classification of altered dental esthetics(Adapted from Kay)
    • Class1 Intact esthetic framework(esthetic restorative case requiring little improvement)
    • Class2 Minor alterations esthetic framework(esthetic restorative case requiring slight improvement) 
    • Class3 Significant alterations in esthetic framework(esthetic restorative case requiring large improvement) 
    • Class4 Orthognathic deformities (esthetic restorative case requiring maxillofacial improvement)
  • Table2 Classification of patient type. 
    • Type1 Restorative patient
    • Type2
      •  i)Orthodontics-restorative patient
      •  ii)Peripdontics-restorative patient 
    • Type3
      •  i)implant –restorative patient
      • ii)Periodontics-orthodontics-implant-complex-restorative patient
    • Table3 Classification of restorative design
      • Class1 Adhesive composite resin
      • Class2 Veneers
  •  Division1 Partial veneers
    • i)Porcelain inlays and onlays
    • ii)Porcelain laminate veneers 
  • Division2 Full veneers
    • i)All-ceramic restorations 
    • ii)Metal-ceramic restorations