2014年6月30日月曜日

15伊藤秀寿(東北) インプラントを用いた咬合崩壊へのアプローチ

日曜日17:30~17:55
発表者:伊藤秀寿   宮城県仙台市開業
所属:広島SJCD
カテゴリー:インプラント
座長:小濱忠一

インプラントは十分な骨が存在し、特異な咬合関係や解剖学的な制約を受けない部位においては、非常に容易な処置となる。しかし、埋入に先立ち、歯の喪失もしくは抜歯に至る既往を鑑みると、歯牙欠損部の多くは骨量・骨質に問題があり、下顎管や上顎洞との位置関係に憂慮を要する場合が少なくない。
特に、上顎骨は骨密度が疎な海綿骨が主体であり、上顎洞を有している。故に、歯牙欠損等により、垂直的、水平的に骨量が不足した際に、その解剖学的特徴からインプラント埋入に不利な制約を受けることが多い。また、上顎洞は血流が豊富とは言えない含気腔であり、骨補填材による骨造成を一層困難にする。
今回、上顎臼歯部歯槽骨高度吸収により上顎洞底部までの垂直的歯槽距離が短く(最短部2㎜以下)、多数歯齲蝕を伴ったEichenerの分類B-4の患者に対して、サイナスリフト同時埋入を行い、ジルコニアクラウンを用いて全顎的治療を行った症例を供覧させていただく。